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薬剤師volunteer

みの薬剤師ボランティアグループ「在宅訪問」 医療者のジレンマ

2020年3月9日

本日僕は休暇日ですが、先ほど明日新規で在宅訪問を予定していたBさんが亡くなられたとの連絡が入りました。

Bさんは肺がんターミナルのため、いつ急変してもおかしくない状態とは聞いていましたが、僕としては既に主治医の了解も得ていて、患者さんの情報把握も終えて準備万端だったので、お手伝いができず少し残念ではあります。

ただ、疼痛コントロール等の体調管理が順調だったこともあり、ご本人は苦しむことなく息を引き取られたようなので、一生懸命サポートされていたご家族としても、本人の意向を踏まえて最期までしっかり看取ることができたという満足感は高かったようです。

このように、ご本人の意向もさることながら、支えるご家族の状況が非常に大きなポイントになってくるのが在宅医療の難しさです。

今回Bさんご一家の場合、当初本人的には「家に帰りたい」と強く希望されていたものの、高齢の妻は自宅で病人をかかえることに対して不安が大きく、そのことを気ににされた本人が在宅療養を遠慮されるような発言もありました。

ただ子供さん達がとてもご理解のある方だったため、遠方に在住されているにも関わらず惜しみなくサポートできたことで、本人の希望通り最後までご自宅で過ごす願いを叶えることができました。

子供さん達のサポートがあったからこそ可能になった在宅療養ですが、実はこのように上手くいくケースは稀で、多くは諸事情の問題をクリア出来ないまま中途半端な体制で在宅医療に移行していきます。

医療者としても中途半端と分かっていながら、病院の現状を踏まえると在宅医療を勧めるほか道はなく、その点でジレンマを抱えながら紆余曲折しているのです。

病院のベッド数を減らし在宅療養を推し進めている日本ですが、結局は「本人の意向」「家族の思い」「時間的余裕」「金銭的余裕」等、いくつかの条件がしっかり整わななければ、質の高い在宅医療とならないのが実現です。

まだまだ「絵に描いた餅」の状態ですが、多くの人々が様々な面で余裕が無くなりつつある日本で、果たして「この先思い描いた通りの絵(地域包括ケアシステム)」が現実化する日は来るのでしょうか?

どうしても懐疑的な目になってしまうのは僕の悪い癖ですが、この予想が外れることを期待しながら僕は僕の使命を果たしていこうと思います。

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