車検取得に向けメンテナンス進行中のローバーミニ1000。
今回はタペットの調整をします。

僕のローバーミニは1000ccキャブの最終型で、エアコンや排ガス浄化装置などが付いているため、エンジンルーム内にホースが張り巡らされています。
車もエンジンルームも「シンプル」好きな僕ですが、同じくらい「オリジナル状態」にもこだわりを持っているので、ミニについてはそちらを優先してメンテナンスをしています。
そんなホースだらけのミニですが、ロッカーカバーについてはそれほど邪魔はしていないので、比較的簡単に取り外すことができます。
エアクリーナーを外し、強いて言えば、手前にあるヒーターホースを外しておくと作業が楽かもしれません。

ロッカーカバーを外すとロッカーアームやバルブスプリングがお目見えします。
8万キロオーバーでオーバーホールもしていませんが、とてもキレイな状態を保ってくれているのは、マメなメンテナンスのおかげかな。

さっそくタペットを調整していきます。
僕のミニ1000の場合、基準値はIN・EXとも0.3mmです。
シックネスゲージは今回新しいものを購入しました。

まずピストンを圧縮上死点に合わせます。
クランクプーリーのタイミングマーク(凹んでいるところ)をギザギザの一番長いところに合わせるため、ギアを入れて車体を前後に動かすのですが、
いくら車体が軽いミニとはいえ、(今回は地面が砂利の車庫だったこともありますが)僕の力ではなかなか大変な作業です。
何度か行き過ぎたりしながら、やっと写真のように合わせることができました。

タイミングマークが合ったので、これで1番か4番のピストンが圧縮上死点です。
ロッカーアームを上から押してみると、4番はカチカチに固定されているけど、1番はカチカチと動くので、どうやら1番が圧縮上死点になっているようです。
1番が圧縮上死点であることが分かったので、1番のEX・IN、2番のIN、3番のEXのタペットを調整。
そして、もう一度頑張って車体を動かしてクランクを1回転させます。
4番が圧縮上死点になっていることを確認し、2番のEX、3番のIN、4番のIN・EXを調整しました。

タペット調整が終わったので、あとはロッカーカバーを戻せば良いのですが、ゴム類は交換しておかないと後でオイル漏れが発生してしまいます。
写真のようにロッカーカバーのボルト用ゴムはボロボロだったの、で新品に交換することにしました。

もちろんガスケットも交換です。
ロッカーカバーにへばり付いた古いコルクガスケットは、スクレーパーを使って丁寧に剥がしていきます。
今回は時間をかけて徹底的にキレイに仕上げました。

タペットカバー表面は塗装が剥がれている部分があったので再塗装しておきます。

ガスケットをロッカーカバーに装着します。
冒頭「オリジナル状態にこだわる」と書いておいて何ですが、今回ガスケットはゴム製にしてみました。
たまたま前のミニ(同じ1000cc)のストックが余っていたからで、ただの経費削減です。
意思が弱いこと…

ちなみにゴム製ガスケットの注意書きには「液体ガスケットと併用しないこと」と書いてあります。
でもロッカーカバーとの接触面がこのように凸凹しているので、オイル漏れがとっても心配ですよね?

色々調べたところ、ゴムや金属に使用する接着剤を間にかませると良いとのことで、こちらのボンド(G17)を購入しました。
一番小さい容量(20mL)で十分足りるでしょう。

ボンドは薄く塗れば良いと書いてあったものの、僕のロッカーカバーは接触面の凸凹が気になったので、結構厚めに塗りました。
この程度は塗らないと上手く隙間を埋めてくれないんじゃないかなぁ...

ボンドを1周塗り終えたところで、試しにガスケットを装着し、その後一旦外してみたところです。
ある程度厚めにボンドを塗ったものの、案の定隙間を埋められていない部分が見られます。
これではオイル漏れが発生する可能性が高いので、ボンドが付いていない(又は不足してそうな)部分には追加で塗っておきました。
このまま(ボンドが)ベタベタな状態で装着してもはみ出してしまいそうだったので、3分ほど放置してボンドが固まり始めたところで再装着しました。
ロッカー装着後は、ボンドが乾くまで24時間ほど放置。
もちろん平らなところに置いて、上から重しを乗せておくと良いと思います。

完全に乾いたのを確認したらロッカーカバーを元に戻します。
写真のトルクレンチは今回思い切って購入したもの。
写真のように、回している途中でもトルクが表示されるののでとても便利です。

ローバーミニ1000のロッカーカバーの規定トルクは5Nです。
ほんの少し力を入れる程度の強さですが、強すぎるとロッカーカバーが歪んでしまうそうなので注意です。

オイルキャップも戻してタペット調整は終了です。
8箇所のタペット調整は細かな繰り返しの作業、車体を前後の動かすのは力が必要な作業、ロッカーカバーのガスケット剥がしは地味で面倒くさい作業と、タペット調整って思ってたよりも大変な作業でした。
早く(ラジエターとかを元に戻して)エンジン音を確認してみたいものです。