
新型コロナウイルスの影響により日本全国で様々な活動が自粛されていましたが、6月からの学校再開に合わせ、延期されていた学校薬剤師活動も無事再開となりました。
今年度初めて学校薬剤師を担当する僕としては、少しばかりヤキモキしていたものの、これでやっとスタートラインに立てた気分です。
そんな折、さっそく学校薬剤師会から今年度用の検査キットが届きました。
紙袋一杯に入った中身を確認すると、検査日は薬剤師会から6月24日に指定されていました。
検査日が2週間後とずいぶん直近に指定されていますが、こればかりはこちらが合わせるしかないようなので、早速仕事に休みを入れ対応。
当日までに検査キットに同封された手順書をしっかり読み込みこんでおこうと思います。
幸いなことに、今回は当日に前任者(某薬局薬剤師さん)がご同行頂けることになっているので、気持ち的には楽かな。
また、学校の担当者も毎年のことで手慣れてみえるようなので、今回は僕が色々と勉強させて頂く立場で検査を行うことになりそうです。

こちらは水質検査用のボトルと手順書です。
水温やpHに加え、細菌や遊離残留塩素等を検査するキットになります。
飲料水の基準値はこんな感じですね。
遊離残留塩素 | 0.1mg/L以上、ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合又は病原生物1こ汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれがある場合は0.2mg/L以上 |
色度 | 5度以下 |
濁度 | 2度以下 |
臭気 | 異常でないこと |
味 | 異常でないこと |
水素イオン濃度 | 5.8~8.6 |
一般細菌 | 100CFU/mL以下 |
大腸菌 | 検出されないこと |
塩化物イオン | 200mg/L以下 |
有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) または 全有機炭(TOC) | 10mg/L以下 3mg/L以下 |
ちなみに今年は新型コロナウイルスの影響で僕が担当する小中学校はプール授業が無いため、プールの水質検査も無しとなりました。

こちらはアレルゲン(ダニ)の検査キットです。
キットといってもフィルターだけですが、このフィルターを家庭用の掃除機にセットし、1平方メートルの範囲を1分間吸引して採取します。
統計調査では喘息の既往がある児童生徒の多くは、ダニのアレルゲンが原因となっていると言われており、高温多湿を好むダニはこの時期(梅雨)の検査が最適となります。
基準値は「1平方メートルあたりダニ数は100匹以下、又はこれと同等のアレルゲン量以下であること」となっています。

こちらはシックハウス(ホルムアルデヒド)検査キットです。
勉強不足の僕は、シックハウス症候群と化学物質過敏症を混同していましたが、厳密な概念は異なるみたいですね。
ともあれ、シックハウス症候群も化学物質過敏症と同様に、建物や家具に使用される接着剤や塗料に含まれるホルムアルデヒド等の有機溶剤が原因となるため、これらを測定することになります。
測定方法は、30分換気→5時間密閉→24時間測定と時間と手間が結構かかります。
今回の測定場所は児童生徒が使用する教室が指定されているため、授業のあるこの時期は無理そうなので、この検査だけは夏休み中に行うことになりました。
…とうことで、とりあえず今回は飲料水検査とダニ検査だけ行うことになりました。
公衆衛生という未知の世界。果たして…。