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車の安全性は贅沢品ではありません

父親の事故

今年は5月1日に元号が令和に変わりましたが、その少し前、3月末に父親が交通事故に遭いました。

事故は、片側1車線の県道を軽トラックで走っていた際に、対向車線をはみ出してきたハイエースが真正面から衝突したもので、原因は相手の居眠り運転でした。

運が良かったのは、半年前に突然父親が「自動ブレーキ付きの軽トラに変えたい」と言い出したことがきっかけで、安全性能が高い最新モデルに変えたばかりだったこと。

大型のハイエースに突っ込まれた軽トラックは、レスキュー隊が挟まれた父親を助け出すのに苦労するほど潰れていましたが、キャビン自体は大きく変形することなく父親を守ってくれてました。

足元も潰れていてアクセルやブレーキが父親の両足を圧迫していましたが、ギリギリのところで骨折を免れることができていました。

もし古い軽トラックだったら両足を複雑骨折して車椅子生活になっていた可能性が高く、それどころ命さえ奪われていたかもしれません。

不幸中の幸いとはこのことですが、父親は道路を普通に走っていたにも関わらずこのような事故に巻き込まれてしまったことで、僕にとっては車の価値観そのものを大きく変えるほどの出来事になりました。

交通事故死者数は20年で1/3に

上のグラフは警察庁交通局が公表している交通事故死者数の推移です。

日本の交通事故による死者数は昭和45年の16,765人をピークに減少し始め、一旦上昇したもののその後も減少し続け、平成29年度には4,000人を切っています。

僕が高校生の頃には、確か交通事故死者数が1万人を切ったとか超えたとかがニュースになっていたことを覚えているので、この20年間でざっと1/3になったと言えます。

単純にうちの父親のように命が助かった人が毎年何千人もいるのは、改めて凄いことだと思います。

死者数が減少した要因は様々ですが、やはり自動車の安全性能の向上が一番貢献度が高いのではないでしょうか。

例えばこちらは1998年式のカローラと2015年式の同じくカローラを使ったオフセット衝突実験の動画です。

1998年式カローラは運転席周辺までぐちゃぐちゃで、運転者が相当にダメージを受けていることが一目瞭然で分かります。
この頃の車にはハンドルのエアバックさえ装着されていないので、頭部にもかなりの衝撃がみられます。

一方2015年式カローラを見てみると、フロント部分は大きく潰れているものの、運転席のキャビンスペースはしっかり残っていることが分かります。
前後左右に張りめぐらされたエアバックで身体が守られていることも良く分かると思います。

映像では、2000年以前に製造された車で衝突した場合には運転者が死亡する可能性が2倍になると訴えていて、「車に安全性を求めることは贅沢なことではない」と結論付けています。

日産車でも同じような結果が出ています。安全性能の向上は、どの自動車メーカーでも目覚ましい進歩がみられるようです。

こちらは古いアメ車と最新の車との衝突実験です。
古いアメ車は、図体がデカいだけで中身は「ふにゃふにゃ」なことがよく分かると思います。
こんな車には絶対に乗りたくありません。

最近は自動ブレーキ等の予防安全も進歩しています。

スバルのアイサイト搭載車の事故件数調査結果では、追突事故が8割減、対歩行者事故が5割減といったデータも示されていて、その効果の大きさから自動車保険の掛け金にまで影響を与えているようです。

自動車に求める価値観の変化

現在僕のもとには、年間2.5万キロほど走行する普段使いの「古いプリウス」と、全くの趣味車である「クラシックミニ」があります。

普段使いの車は「燃費が良くて壊れにくい安価な国産中古車」を選び、趣味の車にはある程度お金を費やしてDIYメンテナンスや近場のドライブを楽しむ...という価値観でずっとやってきました。

でも今回の父親の事故でその価値観は大きく変化することになりました。

もちろん車が好きなことには変わりはないのですが、普段使いの車は最新の安全機能が満載された車に乗りたくなったし、趣味の車はDIYメンテナンスは楽しむものの、少なくとも大切な人は乗せたくないとまで思うようになりました。

しばらく乗るつもりだったプリウスですが、安全性を求めて次の車検で乗り換えることにします。

クラシックミニを手放すことは絶対にありませんが、車検取得については正直少し迷いが生じているので、僕のモチベーションがどのように変化するか待ってみようと思います。

ちなみに父親は、事故前ほど力仕事はできなくなり、足腰にはまだ痛みとしびれが残っていますが、 今では事故について「安全性能に助けられた」と笑顔で振り返ることが出来るようになりました。

動画が結論付けているように「車の安全性は贅沢じゃないよな」としみじみ感じる毎日を過ごしています。

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