みんなの薬剤師

第5回みの在宅支援薬剤師ミーティング

10月7日に「第5回みの在宅支援薬剤師ミーティング」が開催されました。

今回のテーマは「情報共有」です。

「在宅支援」を軸に地域の薬剤師による連携力を高め、より質の高い医療(薬物療法)の提供に繋げていくことを目的として立ち上げられたこのミーティングですが、

この目的を実現させるための大きなポイントのひとつが「患者さんの情報をいかに的確に共有できるか」だと思います。もちろん共有する相手は、薬剤師に限らず医師等他の職種も含みます。

情報共有の第一歩は、薬剤師から他職種へと情報を伝えるための報告書です。

報告書で情報を共有する際に重要なことは、書かれた内容が「薬剤師の独りよがりではなく相手のニーズに合った情報であること」、そして報告する相手に「とにかく読んでもらえること」だと思っています。

僕も薬剤師なので良く分かるのですが、正直、医療関係者は皆忙しいです。

報告書にメリットを感じなければ、最初の頃は目を通していても、そのうち手に取ることさえしなくなってしまう気持ちも分からなくもないです。でも、もしその報告書に毎回とても役立つ情報が書かれていたとしたら…、「忙しいけどとりあえず目を通しておこうかな…」となる可能性がグッと高まるかと思います。

せっかく一生懸命に書いた報告書です。ちょっとした情報のミスマッチで、誰の目にも触れらずに過去のものになってしまうことは悲しいことですし、何より患者さんのためにもあってはならないことだと思います。

報告書の書式は、読みやすさを優先すればA4サイズ1枚に収めるのが理想的ですが、例え1枚に収められなくても、個々の配置を工夫することでビジュアル的に情報を捉え易くしたり、文章を可能な限り簡潔にまとめるといった努力は必要です。

いくら報告書に役に立つ情報が書かれていたとしても、「情報がバラバラで見にくい」とか「文章がだらだら長すぎる」というだけで、目を通してもらえないことも少なくないからです。

要約力という言葉がありますが、長くなりがちな文章を短くするのもスキルの一つなので、「読んでもらえない」「上手く伝わらない」といったことを全て相手のせいにするのではなく、「自分のスキル不足の可能性もある」ということを忘れなようにしたいものです。

そして、誰にとっても時間は有限なものなので、例え報告書1枚でも相手の時間を奪わないために配慮することは、多職種連携における良好な関係構築の意味でもごく自然なことだと考えて欲しいと思います。

あと、報告書の書式で気になることと言えば、薬局毎に書式が異なっていることでしょうか。

情報がデジタル化されて久しい現在、各薬局が患者の情報管理に別々の管理システムを使っているのはやむを得ないとしても、最後に紙として吐き出す報告書程度なら統一したフォーマットにすることくらいなら「簡単に出来るのになぁ」と、一応データベース管理もかじったことがある身としては率直に思ってしまいます。

まあ、システム的に可能だとしても、やはり音頭を取る国とか医師会とかが重い腰を上げてくれないと「進むものも進まない」ことは、電子カルテの現状を見ると想像に難しくありませんが…。

こうした細かなところでも「デジタル後進国日本」って感じですね。

話は情報共有に戻りますが、情報を伝える「タイミング」とか「手段」というのもとても重要です。

情報には果物のように「賞味期限」があり、それが有益であればあるほどその期限が短いからです。そして、いくら有益な情報でも、タイミングを逃してしまうと何の変哲もない情報に成り下がってしまいます。

それでは勿体ないと思いませんか?

でも逆に早ければ良いのかといえば、それも程度問題で、賞味期限と同じように情報には「鮮度が一番良いくて美味しい時」、即ちその情報が相手にとって一番良いタイミングがあるからです。

遅いよりは早い方が良いとは思いますが、早すぎるタイミングの情報は、相手を迷わせるだけで患者さんにとって逆効果となってしまうこともあるので注意が必要です。

情報を伝える手段には、報告書、電話、メール、共有ノート等様々ですが、情報の賞味期限や鮮度を意識してみてみると、どのタイミングにどういった手段で伝えるとベストなのか?という判断が意外と簡単に出来たりするかと思います。

長々と書いてしまいましたが、こうして振り返ってみると、本日のテーマである「情報共有」というのは、改めて複雑で難しいテーマだったなぁと思いました。

とても1時間程度の話し合いで結論が出るようなものではないのですが、それでもミーティングでは、各薬局が現状使用している情報共有ツール(報告書とかシステムとか)を持ち寄り、比較しながら積極的に意見も交られたし、

報告書にどのような情報をどう記載するのか?という一番メインとなる議論では、情報を受け取る側の意見を参考にするためにケアマネや介護士等に行ったアンケート結果を参考にしながら、今後の情報共有の方向性について共通の認識を導き出すことができました。

情報共有において何より大切なのは「相手のニーズに合った情報が書かれていること」であり、その情報を「確実に読んでもらうこと」だと冒頭に書きましたが、報告書の書式統一には課題はあるものの、確実にこのミーティングの目的の達成に繋がっていく有意義な意見交換が出来たと思っています。

今日も、地域のスタンダードを作り上げていく楽しさを噛みしめています。

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