今回は名古屋市名東区のauto galleria LUCEに展示されていたVOLVO P1800(ボルボ・P1800)を紹介します。
ボルボの歴史と実績

ボルボは、1926年にスウェーデンで創業した自動車メーカーです。
北欧スウェーデンの厳しい気候や道路状況に耐えうる「安全で丈夫な自動車」を生産することを目的に設立されました。
ボルボは常にその理念に基づいた自動車を世に送り出し 数多くの実績を積み重ねたことで ボルボ車=安全で丈夫な車というブランドイメージが世界中で定着することになりました。
ボルボが特許を取得した安全機能は数多くありますが、その中で最も代表的な機能が「3点式シートベルト」です。
今では常識となった「3点式シートベルト」ですが、ボルボがこの特許を無償公開したことで世界中の自動車メーカーが採用。結果的に100万人以上の命を救ったと言われています。
ボルボは安全な車づくりのために事故データの収集にも熱心です。
ボルボが事故データの収集を始めたのは何と1970年代までさかのぼり、専門の事故調査チームがボルボ車で起きた全ての事故を隅々まで検証・分析し開発チームにフィードバックすることで、安全な車が生み出される開発サイクルを作っています。
ボルボが世に送り出した最初の自動車は、1927年に登場しヤコブの愛称で親しまれた「ÖV4」です。
名称の「ÖV」はスウェーデン語でオープンカーを意味し、そのフレームは2つの木材(トネリコとブナ)で組み立てられていました。名称の「4」の部分は直列4気筒エンジンを意味していました。
1929年からは6気筒エンジンを搭載したモデルが登場。
木製フレームは、6気筒の強力なエンジンを支えるため鋼板で覆われ非常に丈夫に作られていました。
1956年には「ボルボ・アマゾン」が登場。
商標権の関係で、1959年からは「ボルボ120」と名称を変更して販売が続けられました。
1959年には「ボルボ・PV544」が登場。
PV544 は、ボルボが特許を取得した3点式シートベルトを世界で初めて採用した自動車で、他にも多くの安全装備が搭載されたことから、ボルボ車の安全性能を世界に強烈にアピールした車でもありました。
1960年にはスポーツカー「ボルボ・P1800」が登場。
ボルボ・アマゾンから流用したプラットフォームに、1800ccの強力なエンジンを搭載し、テールフィンが付いた豪華な2ドアクーペボディはイタリアのカロッツェリアがデザインしたものでした。
1974年には「ボルボ・240」が登場。
240シリーズはその基本設計の良さから、長期(1974年から1993年までの19年間)に渡り販売が続けられました。
240シリーズは日本でも数多く販売され、特に一時期ブームとなったワゴンボディは、その安全性と共に根強い人気がありました。
ボルボは1999年にフォード傘下となり、更に2010年に中国の吉利汽車に売却されましたが、現在も「安全で丈夫な車づくり」という変わらない理念のもと、世の中に安全な車を送り続けています。
VOLVO P1800(ボルボ・P1800)

イタリアのカロッツェリアが手掛けた流暢なボディデザインは未だ新鮮。
俳優のロジャー・ムーアが愛車に選んだことでも有名。

P1800最大の特徴がリア左右にそびえ立つテールフィン。
サイドウインドウから延びるラインが美しい。

丸みを帯びたリヤスタイル。
テールフィンの先にある立体的に浮き出たテールランプが存在感を主張している。

現代の車にはまず見られない丸目ヘッドライト。
グリルは大型ながら適度な存在感を主張している。

ボンネット内には直列4気筒1800ccエンジンが収まっている。
エンジンは後に2000ccにアップデートされた。

サスペンションは前がダブルウィッシュボーン、後はトレーリングアーム。
ブレーキも後に高性能車の象徴である4輪ディスクブレーキに強化された。
VOLVO P1800(ボルボ・P1800)のYouTube動画
青いP1800を所有するオーナーのインタビュー動画です。
オーナー自身がドライブする車内映像等が楽しめます。
エレガントなP1800は多くの映画やテレビドラマで使用されています。
最も有名なのが英国のテレビドラマ「セイント」 に登場した白いボルボ1800Sです。
ハワイのカウアイ島を走行するP1800。
小さな島でヴィンテージカーを所有するためには独特の苦労があるようです。